やや作者偏りがちな感じに、独断と偏見でオススメのコミックエッセイを選んで並べてみましたー!ランキングにしようと思ったのですが、気分によって順位も変わるので羅列です。
仏像に恋して(作者:真船きょうこ)
ふーん、で終わらせない仏像めぐり本を京都奈良旅のお供に。
唐突に小学生の頃行った広隆寺の木造弥勒菩薩半跏像のことを思い出したんです。仏像見たいなー今見たら感想違うかなーというか奈良行きたい...!!日常に疲れた女の現実逃避ですねわかります。
そんなわけでの仏像めぐり!の前に、もう少しコンテクスト(文脈や背景)を知ってからの方が楽しいよな、と思いつつも図鑑は挫折。どこから読んだらいいのかわからなくて。その後手に取ったのがこちらです。
大学の授業で仏像の魅力を知り、個人でも仏像めぐりを楽しむようになった作者のコミックエッセー。入口が初心者なので、割と細かな仏像の背景や意味、分類や見どころなどを解説してくれるので、雑学として面白い。あとイラストがですね、その後実際仏像めぐりで見比べてみたら割とそのままというか、「あ、これ見たやつ」ぐらいには写実的な感じなので、京都・奈良・鎌倉あたりの旅のお供にも最適だと思われます。
yeah!おひとりさま(作者: 新久千映)
一ランク上のお一人様行動へ、あなたの背中を押してくれます。
ひとり回転寿司、ひとり焼き肉、ひとり居酒屋、ひとり花見、etc。お一人様行動、体当たりコミックエッセイ。
ちえぞうさんが人目を気にしつつ全力楽しげに1人行動する様がめっちゃ可愛いです。可愛いです。(大事なことなので2回言ってしまった・・・。)イラストも可愛く見やすいので、お気に入り。
被害妄想気味にビビりつつ、エンジョイYeah!なひとりカラオケとか、「うわやってみたい!あーでもなぁ。・・・いややっぱ楽しそう!!」と、近くにカラオケ店があったら勢いで行ってたくらいのお気に入り具合。というか、最後の宮島旅があんまりに楽しそうで、そのまま宮島一人旅を衝動ポチっちゃいました・・・。楽しかった。
ちえぞうさんなのでもちろんひとり居酒屋も楽しげ。というより、食べ物、というよりは「食べる」シチュエーション自体がとても楽しげに描かれて幸せに浸れます。
31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる(作者: 御手洗直子)
婚活も一つの...人生の旅と考えれば!そう、旅は知らない世界を知るのが楽しいのです。地味におススメ大プッシュ。イラストも可愛くて見やすい。
気づいたら2度読みしてました。何だろう、直子さんの滲み出るいい人っぽい人間性から、不快感なく婚活が疑似体験出来る的な。私直子さんと結婚したい。この人と結婚した旦那様が羨ましいー!愉快で優しい世界が広がりそうです。
狩りに行くぞ!ではなくネタになるからいいか!と新しい世界をのぞきに来ました感の直子さんのツッコミにふふっと幸せモード。
そんな感じにタイトル通りの、アラサーBL漫画家か婚活してみた(主にネット婚活)体験談。
鎌倉 女ひとり旅(作者: 松本麻希)
週末鎌倉ラバーによる、ベーシック&程よくマニアな鎌倉探索。
京都奈良も、各地に散らばる小京都を巡るのも楽しいけれど、都内から日帰り可能な鎌倉一人旅も楽しいよね!ということで本書。
鎌倉の魅力に取り付かれ、週末鎌倉旅が日常になった作者のベーシック&程よくマニアな鎌倉探索。各地の見どころやグルメ、カフェ、お土産などが網羅されつつ「え?そこ行ったことあったけどそんな場所があったのか!」が結構多いです。京都などの古都と比べ、展望の良い寺社の多い鎌倉の展望スポットなんて、だいぶ見逃してたので次の機会には是非行きたい。
あと、作中に出てくる歴史ヒロインハイキングコースが、自分、鎌倉旅に役立ちました。地図や各スポットの見どころ背景、グルメやカフェなど、見どころの多い観光スポットでは悩みがちな点が絞られていてとても助かる!
今日も朝からたまご焼き お弁当生活はじめました(作者: 森下えみこ)
お弁当のあの隙間空間に何を埋め込めばいいのかがわからない。
旅してばかりなので日常グルメ系で。
「独りでできるもん」で、世の女性たちの共感を鷲掴みした作者による「はじめてのお弁当」コミックエッセイ。
お弁当作りを始めると、品数作らないといけないのが最初大変なんですよ!一通り定番とメイン詰めた後、この小宇宙何で埋めよう的な。
そして「あーお弁当作らなきゃでももう少し寝てたいあと何詰めよう...」的な葛藤や、女子力的見栄だったり、すごく「らしい」ツッコミや自虐が繰り広げられていて、淡々とした中でほのぼの癒やされる。
大半をお弁当作りの面倒くささの共感が占めていて、お弁当ハウツーとかスキル的な要素はほぼ無し。でも、ほわっと愛しさがこみ上げる、そんな内容です。
★★★間奏
こう、満員電車に揺られながら、いっそ移住したーい!て思うことはありませんか? アベノミクス第2弾の大きな柱も地方創生ですし。
新聞で地域おこし協力隊や空き家対策なんかの取り組みを見てると、手に職があって土地に縛られない働き方、羨ましいと思う人もいるはず。徳島県神山町での例とか、特集組まれてるとついつい目で追ってしまいません?
0円で空き家をもらって東京脱出!(作者: つるけんたろう)
タイトルは序章に過ぎず、その後の展開が飛んでます。
新聞でよく見かけるようになった「空き家」対策。イケダハヤト氏がブログで取り上げたのもあって割と早く存在を知ったこの漫画。
東京→広島県尾道に移住し、ただしボロ屋かつ貧乏なので自前修理による家再生、...まででもその苦労ややらないといけないことの多さに「そうだよな、住むって旅行とは違うよな」と思うことしきりだったんですが、まさかのそれらは序章。
空き家修理の苦労、田舎(尾道が田舎なのか論はありますが)暮らしで見た風景、腰痛による苦労&アイデアによる解決策...あたりまでは移住ものの範囲だったんですが、その後の空き家再生プロジェクトが本格化するあたりは「これが『まだ東京で消耗してるの』ってことかぁ」と。「あなたにピッタリの居場所なんてそこらじゅうに余ってます」に不覚にもぐさっときた。
おひとりさま女子の田舎移住計画(作者: 柏木珠希)
ぼっち気味にはまぶしすぎる地方移住計画。
こっちは綺麗な田舎移住計画。移住してからの話もあるんですが、移住に向けての「どこに住むか」的な視点が丁寧に描かれていて目を引くと。
絵も綺麗だし想定される問題点も暮らしを彩るノウハウも描かれているし、実際の日常も移住検討者にためになるかもですが、一言。普通こんな友達いなくね?と。
一週間単位で泊まりに来てくれて古民家の修理を手伝ってくれてその後も訪問してパーティ的なイベントに来てくれる友達とか。友達少ないぼっち気味にはまぶしくて「でもそうだよね、無縁社会なこの世の中でこそ袖振り合うも多生の縁だよね」と、移住後も着々と人間関係を広げていく主人公の姿勢に感銘を受けました。人間、一人では生きていけません。
どちらもですが、ゲストハウスやカウチサーフィンなど、外国人が安く泊まれる場所の提供って重要なんだな、とか。
★★★間奏終わり
ローカル線で温泉ひとりたび(作者:たかぎなおこ)

- 作者: たかぎなおこ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/04/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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たかぎなおこ先生の、旅して温泉入ってご飯食べてモノにハズレがあるわけがないので、これか「まんぷくローカルマラソン旅」か「ひとりぐらし一年生」か「いとしのローカルごはん旅」か、どれをチョイスしようか正直決められませんでした。 ぐらいにはどれもオススメです。
なかでもローカル線で〜はタイトル通り、ローカル線でコトコトと旅をして、温泉入って料理を楽しむ、がシンプルに描かれてて、どこも行きたい。これに影響を受けてだいぶ旅に出てしまった。北海道をローカル線でコトコトとか、すごくしたい。
デフォルメされてても美味しそうな料理群とか、やさしい色調で描かれる観光地群とか、のほほんとした気持ちになれます。見て満足して終わり、じゃなく「自分も行きたい!」と思わせる旅模様も味があって、ずっと手元に置いておきたいコミックエッセイ。
スピ☆散歩 ぶらりパワスポ霊感旅 作者: 伊藤三巳華
入り口は怖いもの見たさだったんですが案外楽しい。
いわゆるスピリチュアル、パワースポットの類を霊感ある女性たちが巡る系?(というほど系統があるかは謎)
あちらこちらの神社を巡った経験を「視えるんです。」まんまの繊細でゆるりっとしたタッチで描かれていて、特に建物のイラストなんか綺麗だなーとか。眺めているだけでもゆるふわりな気分に。
多分、霊感要素ってだけでドン引きしてスルーする方もいると思うんですが、人生なんて楽しんだ者勝ちです。そんなわけで私も読みました。そして案外楽しかった。「霊が降りてきて〜」的描写もあって、慣れてないとううう...みたくになりますが、それさえ割り切れば、取り上げているのが有名どころの神社で、かつ、案外知らない参拝作法や由来が勉強になります。こういった情報を知って参拝するとまた違いそう。
世界ぱんぱかパンの旅 <北欧編>(作者: 山本あり)
兎にも角にもパンが食べたくなる旅行記。
北欧のフィンランドとデンマークでひたすらにパンを満喫する旅行記。
兎にも角にも出てくるパンが美味しそう。こんなに名前の付いた種類のパンが存在していたのか、と思った。チョココーティング感やデニッシュ感や、ハードなパンの質感がわかる描写です。無駄に力が入ってる。
いろいろ北欧の観光地巡りもしている描写があるのですが、結構適当で、休業のお店に落ち込んだり1日かけて向かったのに思ったより高くて諦めたり、の行き当たりばったり感も楽しい。あ、白夜をかける列車旅とその風景は、一部写真も使われてたりして綺麗だったなー!行ってみたい。
北欧まで足を延ばすのはなかなかハードルが高いので、近くのパン屋さんで焼きたての美味しいライ麦パンを探しに行こうと思います。
↓同じ作者さんですが、傾向全く違うので合わせて紹介。
晩ごはんおかずリレー(作者: 山本あり)
一人暮らしにありがちな、余らせて野菜をダメにする、をなくす。
4人ぐらいいれば十分なジャガイモ7つ詰めも、もやし1パックも、人参4本詰めも、正直人数少ないと消費難しいですよね?...難しいんです。もう諦めて最初から大量に買ったのを下ごしらえしちゃって冷凍庫に突っ込んでるんですが、なんとなく水っぽくて悲しいことも...。
なんてあなたにオススメな、おかずリレーのレシピ集。ピーマンなら、青椒肉絲→ナスとピーマン炒め→味噌味チャーハン...と一週間で食材を使い尽くしていく、なんて素敵なご馳走ループ。昨日の残りを今日に活用、下ごしらえが1/2です。
調理師免許持ちな作者による、料理工程のちょっとした時短技も勉強になります。手間暇かけないレシピのチョイスになっていて、かつイラスト解説のため、これから自炊をする人なら一度目を通すと、私のように野菜をダメにしないと思います...。一人暮らし初心者に。
まんが家さんの修羅場めし(作者: 奥原まむ)
料理ものとしても、漫画家インタビューものとしても断然楽しい。
まんが家は修羅場に何を食べているのか?を徹底取材&コミック化ー!
さいとう・たかを、池田理代子、くるねこ大和などの有名漫画家陣に新人漫画家が取材、という流れで毎回進み、それぞれの締め切り前の修羅場のエピソードや苦労話と一緒に、修羅場めしをレシピと一緒に教えてくれる内容です。どれも簡単めで美味しそう。なぜかそれぞれの修羅場めしのイラストだけカラーで、とりわけ美味しそうに見えるのですよね。井上純一先生(中国嫁日記)の水餃子がすごく食べたい。
あと単純に、それぞれの先生もイラスト化されていて、あーこういう雰囲気なのかこの先生ーみたいなコミックインタビュー的な楽しさも素敵なんです。
★★★
自分が旅に出る場合は、たかぎなおこ先生の本か「わたしの旅に何をする。」(作者: 宮田珠己)あたりをカバンに忍ばせるのが常だったんですが、今なら電子書籍がありますからな!タブレット一つ持っていけば、だいたい事足ります。ふふふ。
そしてこの記事書いて気がついたんですが、コミックエッセイ系、Kindle配信してないの多いんですねー「ない!」と思っても、Sony Readerなんかを探すと普通に見つけられたりします。
そんなわけで、旅と料理しばりでお送りしたオススメコミックエッセイまとめでしたー。お粗末です。
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