青猫文具箱

青猫の好きなもの、行った場所、考えた事の記録。

大人になってから箸を綺麗に持ちたくなった話。

私、王道の箸使いができずに30年近く過ごしてきた人間でして。

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親指と人差し指を駆使した箸使いを数十年続けてきました。これで食べ物が掴めるの?と思ったあなた、お箸のタブーと言われるクロス箸をうまく使いこなすことで、案外どうとでもなるのです。オフィシャルな会食前とかはふと「品がないって思われるかなぁ」なんて思いつつ「でもそこで評価する人間と深い付き合いしたいとは思わないしなぁ」と過ごしてきた日々。微かな記憶で親が矯正を頑張っていた記憶はあれど、本人気にせずに食事を続け、人と一緒にご飯を食べ、そうやって今日まで来ました。幸運なことに、そうした作法が本当に必要な場や、育ちの良さ悪さが評価される場面に居合わせたことがなかったともいう…。

が、もう大人も大人、もはや誰かから指摘を受けることの方が稀有な立場になってから、思い立って箸使いの矯正を始めました。今こんな感じ(わかりやすい写真撮るためか、ちょっと箸の間隔は広めですね、これ。

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きっかけは、久しぶりに聴いたつんくさん作詞作曲の「春ビューティフルエブリディ」

IT‘s so beautiful!every day

始まりの季節ね 今日がこの先の未来より1番若いんだし

を実行したいと思ったから。今更とかそんな歳にもなって、と言われる類のことを何かやりたいなと!

箸使いって、人生の最初の方、幼少期の矯正以外は、お受験とか就活とか恋活とかそう言う場面くらいしか直すチャンスないじゃないですか(と思ってるだけかもだけど。箸使い警察がいたらすみません。

私の場合、転機がなかった、またはそのタイミングでスルーしてしまっていたんですが、時折は「直したいな」と言う気持ちがあったんですよ。だからちょっと頑張ってみようかなと。今更かもしれないけど、でも今日がこの先の未来より1番若いんだし、やってみてもいいんじゃない?

実際大人になってから箸使い矯正できるもの?と思いつつ、ググってみると、いくらでも箸使い教室やYouTubeの動画やあって、しかもちゃんと成功事例が随所で語られていたので、勢いのまま対面で箸使いを見てもらえる教室に申し込み、一週間後には通い始めたのでした。自分が通ったのは、3回で完結する箸使いの教室で、初回は自分の手にあった箸の確認と現在の癖を踏まえて必要な筋トレの案内、2回目は初回のおさらいと箸でものを掴む練習、3回目は三手やとりわけなどのマナーに踏み込んだ講座でした。そこそこのお値段はします。

YouTubeの動画を見て自宅学習、と言うのも考えたのですが、自分の癖がわからないと直しようもないかなと。実際、箸使いの教室は目から鱗の連続で、「綺麗な箸使いでは中指しか使わない」「中指の機能性を上げましょう、毎日中指の筋トレです!」「動かすのは中指、親指は添えるだけ、指の爪が白くなったら力入れすぎです、脱力!」…それまで私、箸使いに関しては親指をキーパーソンにしてたんですが、綺麗な箸使いには、中指が鍵を握っていることを知りました(あくまでも自分の場合。

初回の教室でその日のうちに持ち方だけは様になったものの、実際その持ち方でご飯を食べてみるとうまくいかない。なぜならこれまで大して使われてこなかった中指が、必要な機能性を持っていないから。と言うわけで箸の先生から習った筋トレ(手をパーにして中指を折ったり伸ばしたりするだけ)を愚直に毎日繰り返しました。

その2週間後に2回目の教室で、初回をおさらいしつつ、実際つかむ練習。これは早いというか、中指の機能性さえ上がっていればあとは全て中指に任せればいいというか。あと2回目までの間にこの本も読んでいたのが大きいです。というか、2回以上レッスンのある教室じゃないと身に染み込ませるのは難しそう。

この作者さんとは別の先生に習ったのですが、話の内容はだいぶ近かったような。多分、勘の良い方やさほどクセの強くない箸の持ち方をしている人であればこれ読むだけで直せたりするのかもしれません。

最後3回目のレッスンは綺麗な箸使いが前提の和食のマナー。三手とかは綺麗にできれば早食い防止にもなるのでダイエットにいいかもな思いつつ、忙しい平日の朝夕に悠長に箸を上げ下げしていたらそれだけで日が暮れるので、時間のある時に少しずつ経験値を貯めて行くしかないかなぁと。でも、美しい所作で食べる自分って、自分のテンション上がる気はするのでこれからちょっとずつ頑張っていこうと思います。

そんな訳で、現在は習ったことをおさらいしつつ、まだ無意識にはできない綺麗な箸使いを体に染み込ませている日々です。いつかこれも空気のように当たり前になるといいな。長年経験を積んできたこれまでの箸使いを矯正するの、そこそこ大変かなーと思っていたんですが、頑張りのコスパがいいというか、思い立ったが吉日でやって損しない部類の頑張りだと思います。

ちょっと長くなっちゃいましたが、「今日がこの先の未来より1番若いんだし、やってみてもいいんじゃない?」を実行してみて、これまであまり興味のなかった方向に世界が広がってちょっと楽しかった、と言う話です。おしまい。