青猫文具箱

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新入社員を「教える側」が心掛けたい5つのこと。

教える側の方が余裕がある。

ちょっと前に転職しまして、都合2回、教えられる側を体験し、もちろんその間教える側(インターン生を含む)を何度も経験して思ったのですが、正直教えられる側、つまり新人さんより、教える側が気にかけてあげた方がコスパ良いよね!と。だって精神的に余裕があるのは元からいた方じゃないですか、やはり。年数分知ってるのだから。必死な新人さんに何かを期待するのは酷だと思うの。

コーチングとかトレーニングとかファシリテーションとか(雑)、新人研修以上に気にかけてない企業って多いと思うんですよー・・・半径3メートル以内の経験則ですけども。終身雇用もなくなった売り手市場の今、それで本当にいいんだろうか、と思ったり思わなかったり。

そんなわけでライフハック風にお送りします、ゆるふわっと経験則混じりの、新入社員を「教える側」が心掛けてみても良いかもしんない5つのことです。 

 

いつだって話しかけるのには勇気が入ります。

どう考えても、忙しそうにしている上司や先輩に自分から声をかけるのは大変な勇気がいる行為です。それが気にせずできるのは、相当な大物か全く空気が読めないかの、いずれも企業勤めが向かない人です。

そんなわけで、こっちから話しかけるor話しかけやすい雰囲気をつくるのは優しさ通り越して義務だと思ってます。私は席を立つタイミングで毎回、「どうだろう、○○のやり方覚えられそうー?」と聞くことを自分のノルマにしてました。

組織の鉄則「ほう・れん・そう」は、なにも下→上だけとは限らないのですよ!報告・連絡はまだしも相談は、しづらさを考えれば上から振ってくれた方が対処しやすいと。

 

わからないことがわからないんです。

「何がわからない?」と聞かれてすぐ答えられる人は、だいたいわかってるし、聞かなくても自分で調べるor聞いてくるのでさほど心配しなくてもいいと思うの。

本当に困っているのは、何がわかってわからないかの基準もわからない人なので、一緒にやれるならやってみるのが良いと。あ、OJTだからって、結果だけ見て判断するのだと意味ないです、ここで必要なのは、経過を見て理解しているか確認するのがメインなので、必ず経過を見守ります。

作業指示をするにあたってのコツは、形容詞を使わず、数詞で話すこと。そして目的より、手段の指示に集中することです。「ビジネススキルイノベーション」(作者: 横田尚哉)で、 

ビジネススキル・イノベーション 「時間×思考×直感」67のパワフルな技術

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 未経験者に対していきなり暗示的な指示をするのは現実的ではありません。最初は明示的な指示から始めて、「プレゼンの資料をわかりやすくつくってほしいが、どうすればいいと思う?」と教育しながら、徐々に手段から目的中心の指示へのシフトしていきます。これは「教示的」な指示です。

明示的な指示から、教示的な指示へ。 多少アラがあっても気にしてはいけません。10年単位で所有する用の株を買うのと同じくらいの気長さで見守りましょう。

 

教え方は鳥の目→虫の目?虫の目→鳥の目?

全体を示し、その上で目の前の仕事の意味を伝えるか。まず目の前の仕事から順を追って広げていくか。迷いますね!

見るからにいっぱいいっぱいだったら目の前の仕事に集中できるよう、全体的な話は後にした方がいいし、「え?こんな作業に何の意味があるの?」という顔をしていたら(そう思われる作業だったら)全体を説明します。手を抜かれても困るので。要は人に依ります!てことで。

どっちでもいい場合には、教える側の理解促進のために、せっかくなので全体視点からは入りたいですね。同じく「ビジネススキル・イノベーション」で、理解の三つの段階について取り上げてますが、

  • 言語的理解:経験をそのまま言葉にして伝えるだけ、経験のコピーに近い
  • 抽象的理解:汎用性を持たせるために、具体的な経験を一般化して、より単純にわかりやすく伝えられるレベル
  • 体系的理解:抽象化した知識が連なると体系的理解の域に達する。経験してないことにも理解が進んでいる段階

教える課程の中で、抽象的理解か、欲張って体系的理解まで進みたいものです。同書の言葉をそのまま引くなら「教えることで一段高い視点を獲得する」というやつ。

魚の目?え?教えられるんですか??(失礼。)

 

お手すきでモチベーションを下げる前に、渡せる「作業」をつくる。

猫の手も借りたい系企業以外では、かなり高い確率で新人さんが最初お手すき(やることがなくて暇な状態)になることでしょう。「何かお手伝いできることありませんか?」といえる新人さは素晴らしいですが、マネジメントどこー?状態になるので先んじましょう。「勉強しておいて」と本を渡しても良いですが、読んで覚えるより見てやってみる方が早いのは先人達がこれまでも述べているとおり。

それに最初でつまずくと、せっかくの高いモチベーションがだだ流しになってもったいないので、多少無理しても、渡せる作業はつくりたいところです。

というかせっかくの機会なので、自分がやっている「仕事」の中で、マニュアル化できる、自動化できる作業部分の切り出し、棚卸しをやってみるといいと思うのです。そしてその作業を渡す。

「渡せる作業がない」というのは、仕事の優先順位付けが下手か、全体プロセスを理解してない証拠でもあるので、禁句にしときましょうー。

 

マニュアルからガイドラインへ!

まずはこちらをご覧ください。またも「ビジネススキル・イノベーション」からの引用です。

仕事には、創造的なものと模倣的なものがあります。創造的な仕事には、新規性や独自性が求められます。一方、も法的な仕事には、確実性や安定性が求められます。(略)模倣はネガティブなイメージでとらえられがちですが、企業活動においては、品質を保ち、低コストで、スピーディー煮物ごとを処理していく能力も重要です。

そう、だいたいの仕事は「模倣的」「創造的」に分かれます。では新人さんに渡す仕事はどちらであるべきか?

諸説ありますが、私は「模倣的」だと思います。というか、企業勤め人にとって「模倣」は最高のメリットです。先達が残していった知見があるからこそ、真似はできるわけで。新人さんにそのメリットを享受させてあげないのはずるい。向かないとわかれば、さくっと創造的な仕事の方に振り分け直せばよいのです。

まずは最低限の品質確保のために「マニュアル」的な指示を、それから慣れてきたならば「ガイドライン」的な教示を。つまり模倣的から創造的に軸足を移していく、そんな感じですね。

あまりにマニュアル的に「やるべきことの手順」「やってはいけないこと」をガチガチに伝えると、かえって不測の事態に対処できない、なんてことにもなりかねないので、少しずつガイドライン的に、つまり明示的から教示的な指導に移っていけるとよいですね。

マニュアルは、内容が具体的です。歩行についてのマニュアルがあるとしたら、右足を出して、次の左足を出す動作がノウハウとして示されています。ある意味では親切ですが、不測の事態に直面すると役に立ちません。(略)一方、ガイドラインは抽象的で、目指すべき行き先が示されています。具体的な手段については読んだ人に委ねられていて、とくに縛りはありません。方法を自分で考える苦労はありますが、それゆえ不測の事態には強い。
 

結論

あらゆる悩めるビジネスマンに贈る、たった一つの解決策:「ビジネススキル・イノベーションを買う」

※効果には個人差がありますのでご了承ください。 

ビジネススキル・イノベーション 「時間×思考×直感」67のパワフルな技術

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というわけでみんな、「ビジネススキル・イノベーション」が役立つから買えばいいと思うよ!久しぶりに「ビジネススキル・イノベーション」を読んだら面白かったよというほぼ読書感想文です。

 一つだけ本当に役立つライフハックを述べるのであれば「飲み会の30分前にサントリーの超ウコンを飲むと二日酔いにならないのは大体本当である」くらいですかねー。あと、お酒飲めない人はウーロン茶をウーロンハイと言い張るとかね!