青猫文具箱

青猫の好きなもの、行った場所、考えた事の記録。

名字を変えることについて。

ズボラ極まりないんですが、2年かけてようやく改姓関係の手続が一段落したので書いています。

「若い頃の苦労は買ってでもせよ」というけれど、個人的には新しい経験のチャンスが減っていく青年期以降の方が、苦労は買ってでもせよなんじゃないかと思ってます。そんなわけで、婚姻届を前にした相手からの「名字どうしようか?」に「そっちは論文なんかの実績もあるし名字変えると不便でしょ。私、会社で旧姓使えば影響ないからいいよ、変えるよ」と返し、妻側の私が名字を変える苦労を背負うことにしました。名字を変える機会なんてそうそうないし、これもいい経験になるんじゃないかなと。

入籍に伴って引っ越しもすることになったので、事前に元の住所の役所に転出届を提出。それからある吉日、婚姻届を提出し、妻側の私は名字が変わりました。翌日、新居の住所のある役所に転入届を提出、合わせてマイナンバーカードの住所氏名変更届も提出、記載事項を変更してもらいました。実際の引っ越しはそのさらに翌日で、午前中に住みなれた家から新居に荷物を移し、午後は新しい住民票の受け取り、そのまま運転免許センターに運転免許証の書き換え。これで最低限の身分証は手に入った感じですかね。

引越しの翌日、新しい住民票を職場に提出し、改姓と住所変更の社内手続、同じく健康保険証関係の手続。合わせて会社での旧姓使用の手続。そういえば新旧の姓名と新住所のハンコ作ったんですが、めちゃくちゃ便利でしたこれ。というか全部手書きしてたら私、入籍自体を後悔してたまであります。何回名前と住所書くんや。

次の日からは銀行や証券会社、クレジットカードなどの改姓と住所変更の手続です。

財形貯蓄をしていたので、次の有休取った日、銀行の窓口に出向いて氏名住所変更手続をし、その後会社に財形貯蓄の変更の届出。メインバンク以外に2つネットバンクの口座も持っていたので、こちらはホームページから氏名住所変更の届出をダウンロードしてちまちまと郵送して変更手続。郵送ものは念のため特定記録や簡易書留で送ったのですが、そこそこの出費でしたねー。こういうのってeKYCが進んだら無くなるんですかね、本気でなくなって欲しい郵送の本人確認。

外国株とiDeCoと積立NISAとFXもやっていたので、証券会社の氏名住所変更手続も必要です。さらにiDeCoは別途の氏名住所変更手続き。FXは損失があったので確定申告で損益計算書も出してましたが、これもし翌年度収益出てたら氏名住所変わっているので面倒だったかもしれません(結婚を機にやめたので自分の場合は支障なし)。

銀行口座の氏名を変更すると、急ぎやらなくてはいけないのがクレジットカードの氏名住所変更ですね。引き落としができなくてブラックリストに載ったら怖いですし。こちらはほとんどがホームページから様式をダウンロードして必要事項を記入、身分証の写しを添えて郵送するだけなので楽でした。5枚クレジットカードありましたが、これを機に2枚断捨離しました。クレジットカード、使用止める場合は電話一本なんですよね、何か釈然としない…。

あと医療保険に入っていたので、担当のFPに連絡してこちらも氏名住所と代理受取人なんかの手続きを。これに関してはFPが近くの喫茶店まで来てくれたので楽でした。多少の営業を聞くことにはなったけれど、その場で色々聞けて書類の手戻りがないの最高。

ここら辺で急ぎやらないといけない手続きは終了です。郵送や住民票の写しを取ったり身分証のコピーをしたりの雑費がそこそこ金銭的負担になり、同じ内容のことを何度も何度も何度も書かなくちゃいけなくて、ちりつもでイラッとする瞬間が何度も。あえて苦労を買ってるのよ私、と思わなかったらやってられなかったかもです。そしてマイナンバーカードでコンビニで住民票取れるのめっちゃ便利。はじめてマイナンバーカード取って良かったと思った。

その後は楽天やAmazon、LINEやGoogleなどのネットサービスについて、氏名変更の手続。ここら辺は急ぐ必要がないので、スマホのアプリを開いたついででゆるゆる変えていきました。楽天はクレジットカードの変更に伴って基本全部自動切り替えされたんだったかな、「おお便利!」と思った記憶があります(しかしこれがその後の悲劇に)。

実店舗で作っていたカードや、あと通院していた病院やクリニックも都度で変更。これは実際作業するのは相手側なので大した手間もなく。長年通っている歯医者の先生、聞き慣れぬ名字で呼ばれる違和感以外は特に問題なかったです。

あとちょっと困ったのが民間の資格関係で、これって合格して資格証明証取ったあと、再発行してもらえないことがあるんですよね、私の場合、化粧品検定1級のやつが再発行してもらえなくて、悲しい気持ちになりました。受験料そこそこしたんだけどな…まぁでも趣味で取ったんだし良いかな、とこれも諦め。

 

そして一通り必要な氏名変更を終え、式を挙げたりも終わった年末。確定申告の季節の始まりです。そこで思い出しました。そうだ年始にふるさと納税やってたんだったな、と。もちろん旧姓旧住所です。調べたら自治体に再発行依頼しないといけないらしいですね、面倒くさすぎてやってられないなと思いこの年は諦めました。ということで純粋な寄付です。

家計簿アプリのマネーフォワード使ってまして(そういえばこれのアカウント再連携もめちゃくちゃ面倒だった)、それによると医療費控除の10万円超えてるらしいこともわかってたんですが、こちらも領収証の再発行考えるのが面倒で諦め。今は原本提出するわけでもなし、もしかして旧姓のままでもいける?と思いつつ、もし提出求められたらそっちの方が面倒そうだしなと。

もしかして確定申告、氏名住所変更が遅くてiDeCoの払込証明書や生命保険料控除証明書が旧姓で届いていたら、再発行しなくちゃいけなかったんでしょうか私。それは倒れる。早めに手続き終わらせておいてよかった!

 

そんな感じで名字を変えることについての一通りの手続きは終わった…かに見えたのでした。なんと、想定外の最後の難関が待ってたんですよ。楽天モバイルの氏名変更手続です。

私、楽天経済圏をフル活用している類の人間で、ネットショップは楽天ならクレジットカードも楽天、銀行や証券会社も楽天。そして当然のように携帯も楽天でした。クレジットカードの切り替えとともに楽天市場で表示される氏名も新姓になってたので油断してたんですが、楽天モバイルも氏名変更手続しなくちゃいけなかったんです。

それに気がついたのは、「家族で携帯会社揃えたほうがお得じゃない?MNPしよ」と思いたった、入籍1年後のことでした。携帯の名義は旧姓、携帯料金の引き落としのクレジットカードは新姓の登録になっていたらしく(色々登録変更しすぎて覚えていない)、MNPで他の携帯キャリアに行こうとしたら当然身分証の確認ができないので転出できない。旧姓の身分証があったらいけるのかな?いや普通にダメですよね、というわけで急ぎ氏名変更の手続が必要になったわけです。

で、これに気が付いたの、名字が変わってから1年経ってからだったんですよ。何が困るって、その間に運転免許証を更新していて、新しい運転免許証には新姓の記載しかなかったんです。つまり旧姓・新姓がわかる身分証がない。それに気がついた瞬間「え、詰んだ?」と思ったんですが、天は見捨てませんでした。ちょっと前から、住民票に旧姓を表示可能にする制度ができたんですね!…これむしろ制度ができる前はどうしていたんでしょう改姓の先輩方。

住民票に旧姓を表示するには、一度役所に行ってその申請をする必要があります。というので、テレワークのあるお昼休み、人気の少ない役所にいってサクッと手続き。一度手続きするとずっと旧姓が表示されますが大丈夫ですか?と念押し確認され(不利益なんかあるの?)、はいお願いします、で旧姓表示できるようになりました。

これで新姓と旧姓がわかる身分証が手に入りました。楽天モバイルの指名変更届に、次の日コンビニで取得した旧姓表示の住民票の写しを同封して郵送。そこからは早くて、2週間くらいで改姓の手続は終了です。ようやくMNP可能に…長かった…。

ちなみにパスポートも持ってたんですが、名字が変わったりで記載事項変更すると6000円取られると知り、早々に諦めました。当分海外行く用事はないし、失効に任せてしまっていいかなと。…もしかして再申請面倒なんですかね、でもコロナもあるし向こう10年くらいは予定がないので、更新手続きだけするのも手間だし。

ちなみに会社では旧姓使用が進んでいて、結婚したのもあまり話さなかったので、大して何も変わらずでした。会社の個人アドレスには名字が入ってるので、変える選択肢はもとからなかったんですが、実績の引き継ぎとかだけじゃなく、離婚なんかのリスクも考えれば、旧姓使用一択だなと。

改姓関係の手続が終わった今振り返ると、「なぜ日本には選択的夫婦別姓が導入されていないのか」と真顔になるくらい苦労…というか面倒だった気がします。でもそういったものも私の経験値にはなったと思うので、ここに書いて供養ってことで。