有川浩先生の「図書館戦争」実写版続編「図書館戦争-THE LAST MISSION-」が、岡田准一&榮倉奈々主演で公開ですね!
「阪急列車」や「植物図鑑」、「キケン!」や「フリーター、家を買う。」などの、日常を切り取ってキュンときたり涙ぶわっときたりも好きですが、図書館戦争的な現代SF感も好き。
でも現代SF感に関しては、図書館戦争以上に自衛隊三部作が大好きだったりします。
自衛隊三部作『自衛隊三部作』(じえいたいさんぶさく)は、電撃の単行本より刊行されている、自衛隊を題材とした有川浩による日本の小説作品群の総称。
『塩の街』、『空の中』、『海の底』の三作品から構成されている。『塩の街』が陸上自衛隊、『空の中』が航空自衛隊、『海の底』が海上自衛隊をそれぞれ題材としており、三作品すべての主要登場人物に自衛隊員が関わっている。
Wikipediaより。
きっかけとしては「クジラの彼」で、その後「海の底」→「空の中」→「塩の街」という読了状況。というより、有川作品で初めて読んだのがクジラの彼という。
本屋さんの店頭で見かけたクジラの彼のPOPがすごく綺麗で目を引くコピーで、ついつい手にとったのですよねー。クジラの彼って、自衛隊三部作の前日談・後日談的スピンオフなのにです。クジラをかたどったPOPが印象的だった。
そして、読んだら表題作のクジラの彼主人公、聡子さんがすごく素敵だった。冬原じゃないけど言葉選びのセンスに一目惚れた。今でも彼女みたいになりたいな、という思いがあって、恋愛モードになると度々読み返します。
聡子さんって、自分にとっての最上級「待つ女」て感じで、木村拓哉&竹内結子共演の「プライド」で、竹内結子さん演じるアキが「待つ女」と度々言われるんですが、それと重なって実写版でやるなら聡子さんはアキみたいな感じかなーとときおり妄想してたりします。きゅん。
その結果、全カップリングネタバレの上で自衛隊三部作を手に取ったわけですが、それでもとても面白かった!特に海の底の熱さは尋常でなくて、何回読み返したかわかりません。基本、作者買いしないように心がけてるのですが(無駄に心のハードルが上がって楽しめなくなるので)、なんだかんだと作者買いしちゃう作者さんの筆頭です。
というわけで、有川浩先生の名作群・自衛隊三部作について思いの丈を語ったよー!という記事です。
塩の街(作者: 有川浩)
絶望の中で、大体みんな愛とか恋をしてるらしい。

- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/01/23
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一組の男女と、彼らといっとき時を重ねた人たちの物語。ショパンの雨だれなんかが似合う絶望と諦めの世界観の中で、大体みんな愛とか恋をしてるらしい。
「世界が終わる瞬間まで、人々は恋をしていた。」のコピーの素晴らしさよ。そしてこの本に「することないと本能に従って愛欲に従うのね」とか感想抱いてたひねくれた学生時代の私久しぶり。今も案外感想変わらなかった。
これと終末のフールを読んで仕事の月曜を迎えれば、意外と平穏は楽しくて、やりたいことをやり終えるほどの時間がないことを思い出す。
そういう意味で好き。
空の中(作者: 有川浩)
あぁ間違えた、と気づいたそのときに、
高度2万、事故に共通するその空域で「あった」謎の知的生命体を巡るあれこれ。秘密を拾った子供たち。秘密を探る大人たち。
とても丁寧に描かれるSF、んージュブナイル?勧めるというより、出会ってほしいなぁと願う本。
真実も正しさも、見る角度からの程度問題なのではと思えるふしぎ。あぁ間違えた、と気づいたそのときに、立ち止まれるか、望む先に足先を戻せるか。フェイクと白鯨が出会う時、は、大人の自分と子供の自分の対話のよう。
この本がハードカバーの頃、子供側から見ていた自分が、電子書籍になって、大人側で見てしまう自分にびっくりした。あぁでも宮じいみたくはまだまだ遠い。
海の底(作者: 有川浩)
私は躊躇せず走れるだろうか、
使命のため勝ち目がないレガリスに立ち向かう機動隊、解決のため硬直した組織を内から動かすお役人、尊敬する人を犠牲に救った子供たちを守る自衛官、どこか「歪んで」真っすぐな子供たち。私は彼らのように躊躇せず走れるのかな。
有川作品で外れる訳ない自衛隊もの。個人的にナンバーワンにしてオンリーワン。負け戦も権謀術数も成長も青春もラブも詰め込みつつ破綻しない・・・えーと、ジャンルSF??
主に機動隊パートで大人の事情を、潜水艦パートで子供の事情を交互に追いつつ、失速せずに落着しての、エピローグがとても好き。望さん愛い。茂久も好きだなー。圭介ラストで可愛く見えるとかなんたるマジック。
クジラの彼(作者: 有川浩)
待つ女、もかっこいい。

- 作者: 有川浩
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男前でかわいい彼女たちの6つの恋。
表題の「クジラの彼」の彼女聡子さんが、恋しちゃうくらいかわいい。この本には、望ちゃんや光希さんはじめ、男前でかわいい彼女がでてくるけれど、普通の最上級でかわいい「待つ女」聡子さんに憧れる。本当、こんな風な女性でいたいなぁ。いつ帰ってくるか、帰ってくるかもわからないクジラ乗りさんに「待ってる」と微笑むんですよ。冬原羨ましい。てかこいつ、海の底では飄々として、裏ではこんな可愛かったのか。
全編、順調にベタ甘ラブロマってます。長編キャラのその後も良いけど、国防恋愛の伸下と三池の不穏な空気感なんかも好み。