中学か高校の頃に図書館で出会って、多分人生とかは変わらなかったけどリズムも内容も滅茶苦茶好きで買って、でも多分上京する時に手放して存在自体忘れていた詩集を15年ぶりくらいに買い直しました。
最近短歌集読むのにハマってるんですが、その中の一節で切り取られた情景が、この詩集で描かれていた情景とどこか似ている気がしたんですよね、それでふと思い出して買い直したくなったというか。勿論盗作とかそういうのではなくて、自分の琴線に触れがちな情景ってだけです。
普通に絶版になっていたので中古です。田中章義さんの詩集で「聴きなれた曲だけを聴いていたい夜がある」。
特に好きなのは表題にもなっている「聴きなれた曲だけを聴いていたい夜がある」なんですけども。声に出してみるとそのリズムの良さにそれだけで心落ち着きます。一気にサラッと口ずさめる気がしません?
内容は、学生時代からそれなりの人生経験を重ねてきた自分からすると斜に構えてるなぁ、これ好きだった自分青かったんだなぁとか思うのですが。
買い直してから何回か読み返して、滅茶苦茶好きだったあの頃ほどではないけれど、大人になった今でもちゃんと好きで、あの頃の私の延長線上に今の自分はいるんだなぁと感じます。
本当にたくさんの曲が生まれては消えていくこの世の中で、
偶然覚えることのできたメロディ、フレーズ
すごく好きな曲のタイトルを、
懐かしい誰かの名前を呼ぶように呼んでみた。
ここのフレーズとか、まさに今のことだなとか思ったり。懐かしい誰かの名前を呼ぶようにこの詩集タイトルを思い出してネットで検索した、みたいな。
当時は確か、モノが溢れる世の中で、それでも大切なモノがある自分、みたいな感情でこの詩が好きだったんだっけかな。遠い記憶すぎて朧げ。今ではもっとモノに溢れた世の中で、モノ自体を大切に思う経験は減った気がするなぁ。
本当にたくさんのものが生まれては消えていくこの世の中で、懐かしさと再開すること自体難しかったりするので、今回みたいな懐かしい再会は大事にしたいなと思ったりします。