すれ違ったりぶつかりあったりして生まれる王道恋愛モノでもいいし、殴り合って共闘しあって育まれる友情モノでもいいし、スポーツで仲間たちと高みを目指す部活動モノもいいし、厨二病的面倒くささでグダグダと悩む自分探し系も好き。ただひたすら「彼は私のこと本当に好きなんだろうか?」な恋愛脳を爆走する恋愛求道モノだって好み。
そんな感じで「僕たちには青春が足りない」と思ったときに再読するオススメ青春漫画を片っ端から列挙してみた記事です。なんとなく少女漫画寄せ。
あめのちはれ(作者: びっけ)
青い春に雷が落ちて、物語が始まる。
思春期少年の揺れ動く繊細な心をTSなギミックで上手く料理した青春群像劇です。白状します。思春期男子がわちゃわちゃ仲が良いのと、恋に恋する少女がきゃっきゃうふふと戯れるのが好きです。萌えるのもあるけど癒される。ちなみ中学生の頃からそういうシチュエーションが好きだったんで、母性本能とは別だと思われ。
そんなわけで、男子高校生5人が春の嵐をきっかけに「雨が降ると女の子の体になる」体質になってしまった、とてんやわんやする青春群像劇です。
いわゆるTS(性転換)モノというやつですね。TSは、男(女)なのばれちゃうとどうしよう!?とか、気になる女の子(男の子)と同性の友達になっちゃったよえぇっ?、みたいな心の揺れが醍醐味ですが、「あめのちはれ」もそんなパニック感を表現しつつ、集団TSならではのテンパってる者同士の共感や友情が描かれていて2倍愉しい。しかも、普段男子校なのに女体化する時は女子校に通う、という素晴らしいシチュエーションにじったんばったん萌え転げれます。
片恋トライアングル(作者: 天乃忍)
じれっじれのてれってれな、ぴゅあっぴゅあ。
これはとても良い一方通行すれ違いトライアングルですね!メーターまっくすに癒されるる。
恋愛初心者感満載の関谷さんと結城くんのじれじれ照れテレ鈍感ぶりはそれはもう「ごちそうさまでした!」なんです。ですがですね、ここはねー、学校一のモテ男なくせに気になる子をイジめちゃう上に無自覚ラブな不憫男子、葛西くんに萌え転がる系漫画です。何たるぴゅあ。3人とも、それぞれ必死に青春を生きていて、何この可愛い生き物!と叫ばざるを得ない。
設定も、作者さんが乙女の萌えツボ狙って突いて来たな!という王道ぶりです。出逢いも王道、それぞれの立場でぐるぐる悩んでモタモタすれ違うのも王道、あ、でもラストはちょっと変化球、かもー、かな。でも、これぞ正しく「王道は愛されてこその王道なんです」感!はー・・・良いもの見さしてもらいました。
僕らはいつも(作者: 藤宮あゆ)
ママレード・ボーイ世代が手に取ると、耳の奥であのBGMが流れる青春恋愛マンガ。
ママレード・ボーイをご存知でしょうか。両親の離婚&再婚でイケメンな同級生と一つ屋根の下で暮らす事になった元気少女を中心とする恋愛マンガです。主人公の親友で、茗子さんという大人びた美少女がいるんですが、こっそり先生とおつき合いしてるのですよ。
当時「先生と恋仲になる女子生徒」にカルチャーショックを受けた純な女性陣も多いんじゃないかなー。このマンガにも「先生を慕う女子生徒」が出てきます。主人公の親友・冴花さんです。しかも先生とのやり取りは手紙です、メールのご時世に。遠距離なんです。
そんなわけで、幼馴染み3人の元に昔一時滞在した男の子が家庭の事情で田舎町に帰ってきて・・・から始まる青春な恋物語。恋愛ベクトル行ったり来たり、秘密とすれ違い、甘酸っぱい高校生活、みたいなベタ要素が相まって、日曜朝のあのメロディが蘇ります。
ミラクル☆ガールズ(作者: 秋元奈美)
王道は色褪せない。
ミラクル☆ガールズ(1) (講談社コミックスなかよし (692巻))
- 作者: 秋元奈美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/11/05
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
今も色褪せない双子の物語。我が青春の一ページ。いやーやっぱ甘酸っぱいわー。野田くんと倉茂先輩にきゅんと出来る自分に安心した。あと、高村くん相変わらずかっこいい。
ココまで読んで懐かしさを感じたら、ぜひ電子書籍での購入をお勧めしたい!女の子はおしゃれ可愛いし、男の子は正統派かっこいいしでちゃんと楽しい。恥ずかしいほど真っ当に「ヒロインのピンチにヒーローが駆けつける」をやってくれます。王道は愛されてこその王道。
あと絵や設定には全く色褪せた感がないのにですね、舞台は90年代前半だなーと思う訳ですよ。みかげと倉茂先輩のすれ違いとか、携帯やメールが必須となった今なら通用しない世界観な訳で。そう考えると、その出逢いには必然があるのだときゅんきゅんしちゃいます。
これ読む時のBGMはぜひ、GARDENの「キッスの途中で涙が」とDioの「ふたりじゃなきゃだめなの」で行きましょう。ちなみに私はみかげ派です。
君に届け(作者:椎名軽穂)
青春という液体を蒸発させて作った純水みたい。
君に届け リマスター版 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)
- 作者: 椎名軽穂
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/06/15
- メディア: Kindle版
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
水を沸騰させて水蒸気にし、それを冷却して液体の水に戻し作られたのが蒸留水。まさにそんな感じの青春です。恋と友情と自分探し的悩みと、不純物なしの混じりっけなしの青春。
心汚れた大人の自分は、爽子ちゃんと風早くんのあまりの爽やかさに、浄化され何も残らないんじゃと心配になるほど爽やかで甘酸っぱく胸が高鳴る。そして、風早くんという扉を通して爽子ちゃんの世界が開けていく感がすごくあたたかで爽やかで、優しく見守りたくなるのです。女の子ズの友情だったり対立だったり、それでも結局「そんなこともあったね」と後年笑い合えそうな余地もとても好き。絶対的な終わりでない。
一言でまとめるなら「青春ていいなー」ですかね。
笑うかのこ様(作者: 辻田りり子)
恋とか夢とか友情とか。青春時代は忙しい。
大人になっても漫画なんて!という気持ちはわかる。自分も10代のとき、社会人になった自分の本棚に、漫画が、しかも少女漫画が残ってるなんて思ってなかった。でもこのシリーズだけなんで許してほしい。
転校続きでいつも一人、シニカル地味系女子の傍観者ライフ。恋とか夢とか友情とか、青春時代のあれこれを、もやっとすることなくかのこ様が問題解決してくれる勧善懲悪系コメディです。連作短編。
多分学生さんより社会人の方が、あーそんな時代もあったなーと遠い目になること間違いなし。そう、子供は子供なりの政治学とか社交学とかあったなーと。1校につき1人以上、しっかり信頼関係築いてるかのこ様、何気にコミュ力高め。少なくとも、Facebookで「いいね!」するより友情育んでるのは間違いない。
あと転校先を自腹で追っかけてく椿くんにときめく。によによする。
恋だの愛だの(作者: 辻田りり子)
きゅんと萌えすぎて、床をゴロゴロ転がる。
シニカル地味系女子かのこ様の観察ライフ、改め、愛だの恋だの青春だのの、ドタバタ学園コメディ?青春成分多め。個人的に、この漫画が話題にならないのが不思議すぎる。
きゅんと萌えすぎて床をゴロゴロ転がる=通称「床ローリン」。
通常萌えるのって、やっぱり可愛い女の子かちっちゃな子か、な訳ですよ。
でもこれは違う。断じて違う。普通にかっこ良くて俺様な椿くんに萌える。かのこ様に振り回されながら、でもやっぱりかっこ良くてでも普通に男の子で背伸びなんかもしちゃったりする椿くんに萌える。
短編形式だった中学生編から、複数話連作に変わってちょっと心配した自分に杞憂という文字を刻みたい高校生編。かのこ様の観察眼は平常運転、あー学生生活そんなことあった、と遠い目になるのも相変わらずです。
笑うかのこ様(中学時代編)→恋だの愛だの(高校生編)と移り変わって、恋愛成分過多気味な感じが個人的にはちょっと悔しいけど、でも椿くんが可愛くてヒロインだからそれでいいのかもしれないと世界の真実に気づいた。
ちなみに「おおきく振りかぶって」(作者:ひぐちアサ)と「ハイキュー!!」(作者:古舘春一)を入れようとして、でもなんとなく少女漫画寄せの中に入れ込むのあれかなーと思って自重しました。
さらには咲坂伊緒先生の「ストロボ・エッジ」「アオハロイド」も青春枠でちゃんと好きなんですが、これなぜか仕事で必要に駆られて読まされた経験があって、むしろ当時の仕事のことを思い出すという。再読しずらい。ふふふふふ。
最後は、年齢的には青春じゃないかもしれないけれどどう考えたって青春的な空気感と湧き上がる感情に心揺さぶられるので自分的青春枠。ところで青い春っていつまで許されるんですかね?
雨無村役場産業課兼観光係(作者: 岩本ナオ)
「県庁おもてなし課」が売れるなら、これも再注目されて良い。
地元の村役場にUターン就職することにした青年の、仕事と恋と郷土愛。
個人的にこの三角関係は新感覚過ぎる。2007年連載開始なので、むしろレトロ的懐古主義。普通の青年、ボンボンでイケメンなニート、世話焼きでとても良い子なぽっちゃり女子、の間にどうベクトルが向くのか、ぜひその目で確かめてほしいです。
Uターン就職して村役場に勤める、普通の青年な銀ちゃんが、郷土愛あふれるほんと良い子なんですよねー。東京の元カノのことをぐじぐじ悩みつつ恨みはしないし、飲んだくれおじさんたちを「何気にこの人たちは凄い」と認めたり。リアル銀ちゃん落ちてませんか、全力で拾いにいくのに!なレベル。
村を再愛したその瞬間がとても絵的に奇麗に描かれていて、私もこんな原風景を持ちたかったな、持ちたいな、と思ったり。田舎再生プロジェクト系マンガとして、絶対外せない1冊。