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青猫文具箱

本と文房具を愛でる日々。

小説家になろうの感想とレビューの違い、或いは「良き読者」の話。

「小説家になろう」で読み専として小説読んだり感想書いたりする日々を送ってます。

読み専=小説を公開してないアカウントなので、お気に入りや感想は気軽につけられても、評価は気を使います。「小説を公開してない自分が評価に参加していいの?」という自問が常にある。リアルタイムな読者の反応はなろうの良さでもあるけれど、一方で毒者様、叩き厨なんて言葉も見かけますし。

そこで、小説家になろう(なろう)のフィードバック関係について、読み専視点で脳内整理して考えてみた記事です。

 

小説家になろうの公式フィードバック。

なろうには作者が受けられるサイト公式のフィードバックが複数あります。

読者数(アクセス数)

PV(何ページ読まれたか)とユニーク(何人に読まれたか)。

公式サイトで「読者数」と表記されますが、流入元や滞在時間を細かく分析できるわけではないので、どこまで読者かは疑問。小説に「強いジャンル・キーワード」を含んでいれば流入は増えますが、さわりで離脱もあり得ますし。

そもそも読まれないと2.以降のフィードバックに繋がらないので、作者側には意味のある「読者候補数」かも?

ブックマーク(ブクマ)

気に入った小説を登録、一覧で見ることが出来る機能。更新通知機能も有。

体感的には一番「読者数」です。読者が取るアクションとしてもクリックのみで気軽。ブクマ数上限が仕様変更で大幅に緩和されたため、短編中心に総合評価の底上げになったといわれます(ブクマを厳選する必要がなくなった分精度は下がったかも)。

お気に入りユーザー

気に入った作者を登録し、一覧で見ることが出来る機能。メッセージを送ることも可能。

作者の新作や活動報告を見逃さなくなります。小説のみならず作者のファンですね!

ポイント評価

文章評価(5pt)+ストーリー評価(5pt)。公式の評価基準はなし。

評価をつけた小説はその人の「マイページ」で公開されるので、不当評価は少ない…はず。チェックだけなので、読者としてもそれなりに気軽なアクションです。評価は上書き修正が可能(ただ頻発/悪用すると某所で悪評が立つ)。

感想

「小説を読んでどのように感じ、何故そのような感想を抱いたのか」(サイト引用)、良い点、悪い点、一言の3項目(部分記入でも良い)。

文章を打ち込む分、読者的には億劫なアクション。それでも面白い小説なら自然と感想が書きたくなるものです。人気作なら感想3桁行きますし、コメントが荒れて作者を病ませる/エタらせる(更新停止させる)要因になることも。作者は返信が可。

レビュー

「他の読者にも是非薦めたい!と思う小説につけるようにしてください」(サイト引用)。

要は読者仲間に向けた推薦文。見どころを上手く伝えるには小説を読み込む必要があるし、変に期待値を上げて「思ったほどじゃなかった」では作者に申し訳が立たないし、ハードルは高め。閲覧サイト「小説を読もう!」側のトップページに「みんなの新着レビュー!」として表示されます。

トラックバック

ブログやサイトで小説を紹介した際にトラックバックを送信すると、小説案内ページでサイトの名前・URLが紹介されます。

トラックバック自体馴染みのない世代も多いので、あまり利用されてない印象。 

 

作者と読者と各種指標の歩き方。

なろうサイトにはランキングがあり、順位は「ポイント評価合計+ブクマ件数*2」の総合評価で決まります。感想やレビューは関係しません。詳しくは以前の記事にて。

読み専が「小説家になろう」ランキング考察やってみた。

作者はフィードバックを受付不要・非公開設定にすることも可能ですが、ランキングに繋がるので積極的に活用している方が多いです。固定読者を持たず、露出点(小説を宣伝する機会)が少ないなら特に。どんな良作も見つからなければ読まれませんし。

感想やレビューは書いた本人の他、作者も削除可能です。ここら辺、印象操作してる方も稀に見かけますが、荒らし行為が一時多かったのを考えると、作者権限が強めなのも頷ける措置です。

作者/読者と分けて書きましたが、システム的には同じなろうユーザーで、自作公開の有無で自称するだけです。PVやユニークの数字にしか現れませんが、アカウントを持たない静的読者もいます。

作者として小説を公開しつつ、読者として他の小説を読むユーザーは当然多いです。対価を受け取って評価をつける/相互評価をするような行為は不正得点操作として運営が処理(最悪垢BAN)することもあるので、馴れ合い的なものは一部を除き見かけない印象。

読者視点だと、地雷作の当たりをつけるのにブクマ数や感想を基準にする場合が多いです。アクセス数を基準にする方法もありますが、連載の長さやジャンル・キーワード強さでも数字は変わるので、ちょっとミスリードになる場合も。

ポイント評価やレビューは、完結作でないと流動的すぎてあまり意味がない…ような?レビュー投稿自体少なく、連載初期からレビューがついてると自演が疑われることもあります。オチでどんでん返しがあったら(レビューきっかけで読み始めた読者に)申し訳ないので、自分も完結作にしかレビューは書きません。

 

感想とレビューの違い。

感想とレビューはランキングに直接関係しませんが(出版社コンテストの場合対象になることも)、ランキングがテンプレ小説に浸食された(とされる)昨今、別ルートで小説を探す読者には大きな意味を持ちます。

レビューは特に「わざわざレビューを書く人がいる小説なんだ」と期待を生みますし、致命的なカテゴリエラーを避けるためのリード文として重宝するんですよね。合わない連載に時間のリソースを割くのはお互い不幸ですし。

 

感想とレビューの違いは、感想が「作者に向けた手紙」でレビューが「読者仲間への推薦文」です。向いてる方向が違う。

以前、読書感想と書評と読書案内の違いを書いたことがあるんですが、

読書ブログって難しい。

  1. 要約・まとめ:あらすじや目次の転載、本文の要約
  2. 書評(ブックレビュー):主に出版されたばかりの本について、客観的に、コンテクスト(本の背景や文脈)を含めて批評
  3. 読書感想文:自分が影響を受けた本について、主観的に、どのような読書体験が得られたのか共有
  4. 読書案内(ブックガイド):自分が面白いと思う本について、主観と客観を交え、どのような魅力や見どころがあるか紹介

なろうのレビューは、書評と読書案内を足して2で割った印象。具体的なイメージが湧かない方は、手前味噌ですがこちら(Web小説を読書感想と書評と読書案内とで500字書き分け練習してみたときのです)

書評、読書感想、読書案内の違いについて、1つの本で書き分け練習してみた(小説編)。

作者の反応がある(かもしれない)感想と違って、レビューを書くインセンティブは直接ありません。が、なろうでは割とガチなレビューが並ぶことが多い印象です。有志のレビュー祭りも定期的に行われてますし。

 

読み専の立ち位置。

冒頭で、評価は躊躇する、と書いたんですがそれは「同じ場所で小説を書いていない自分にわからない部分があって、それがクリティカルな要素になるなら評価の資格がないのでは?」と考えるからだったりします。

でも逆に、読み専からのフィードバックって作者にとって結構嬉しいのかも?と感じることもあるんですね。

こうしてブログを書いてて「この人は返報性を期待してブログのリアクションくれるんだなー」と考える瞬間があって、自分が嫌になるんですよ。相手にも申し訳ないし。そういう時、利害関係を気にする必要のない(ように見える)相手からの言葉って素直に嬉しい。

それに東京五輪のエンブレム問題見てても「身内が評価する仕組み」って突っ込みどころになりやすいわけです。身内びいきで評価甘いとか、利害関係のある者同士馴れ合ってるとか。実際どうかより、外からそう見えれば色眼鏡マイナス効果が発生する感じです。一歩引いたところにいる読み専が、そういう場面で一役買うこともあるかもと。

 

「良き」読者であるために。

ただ、読み専や広い意味での読者が無条件に意味があるとは思っていなくて、出来る限り「良き読者であれ」ということを自戒してます。

毒者様、叩き厨といったアンチと呼ばれる人たちがなろうには一部いて、感想欄やメッセージなどで無茶な要望やネガティブな感想を書き、作者に余計な負担を強いるケースを稀に見かけるのです。同じ読者の立ち位置から見ても「作者と読者の境界が見えてないの?」と首をかしげることもある。

小説に思い入れを持つ人の場合もあれば、他の作者の嫉妬によるなりすましの場合もあるので、第三者読者的にはどうしようもないんですけれど。通報もいたちごっこですしね...。

だから少なくとも自分がそうならないように、の自戒くらいしか思いつかないのが無念だったり。それを塗り替えようとポジティブなフィードバックを送っても、却ってネガティブな言葉が浮き彫りになるだけですし。うーむ...。

 

また「質の高低ではなく好悪でフィードバックを返す読者」も作者からすればあまり好まれないだろうな、と思います。ランキングに影響を与える分、こちらの方が性質が悪いと感じてる人もいるように感じる。

「小説家になろうはテンプレばかり」といわれることがあって、それはなろうのランキングを見て評してる場合が多いんですが、これ、読者の無節操なブクマや評価が要因と言われることもあるんですね。

面白い小説が読みたいというより、好きなシチュエーションが読みたい需要に偏ってる読者が多いんじゃないの?と。読者が特定のシチュエーションを読みたがってブクマし、それが反映されたランキングを見て作者が需要に応える形で書き、さらに...というサイクルが発生しているような。

ポイント評価に対してブクマ数が2倍換算なのは、ランキングが特定ジャンルが偏る傾向に拍車をかけている気がします。小説の質を問うポイント評価が、気楽なブクマに押し負けるというか。

煮詰まった形で独走性の高い新型が生まれれば面白いんですが、その前に疲弊や飽きが来ちゃってる感があるんですよね。いやでも悪役令嬢の進化って、追うとかなり面白いんですが、あまりに内輪というかメタ過ぎて表に出なさそうなのが勿体ない。

 

本来、あまり質の良くないフィードバックを返す読者以上に、質の高いフィードバックを返せる読者が増えれば解決することです。母数が小さいからノイズが大きく感じるだけで、それ以上に良き読者の数が増えれば、瑣末な影響ですし。 

なろう書籍化作がAmazonレビューで酷評されるの見ると、出版社もなろう文学的なものを商業用にアレンジするのが難しいんだな、と感じることがあって、作者と共に良き読者が育つプラットフォームがあれば面白いと感じます。

ライトノベル・フロントライン1: 特集 第1回ライトノベル・フロントライン大賞発表!

ライトノベル・フロントライン1: 特集 第1回ライトノベル・フロントライン大賞発表!

 

ラノベ評論のための「ライトノベル・フロントライン」を読んだりすると、読む、評価する側の動きも突き詰めると面白そうで、ただやはり、インセンティブがないのが難しいですねー。それは、なろうというかキュレーションメディア全般そうという気もしますけれども。

  

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