青猫文具箱

本と文房具を愛でる日々。

打ち切り・未完の少女小説に関する未練がましい回顧録。

部屋の片づけをしていたら本棚の「暴風ガールズファイト」の背表紙が目に留まって、なんだか無性に書きたくなったので書きます。

暴風ガールズファイト 2 (ファミ通文庫)

暴風ガールズファイト 2 (ファミ通文庫)

 

 

以下のシリーズ名聞いて1つでも琴線に触れたら、きっと友達になれる気がするんですがいかがでしょう。ない方はブラウザバック、ぷりーず。

  • 「少年探偵セディ・エロル」シリーズ(井上ほのか)
  • 「そのとき」シリーズ(高殿円
  • 「ダナーク魔法村はしあわせ日和」シリーズ(響野夏菜
  • 「エパタイ・ユカラ」シリーズ(高丘しずる)
  • 「エノーラ・ホームズの事件簿」(ナンシー・スプリンガー)
  • 暴風ガールズファイト」シリーズ(佐々原史緒

Twitterのタグ的に言うと「#私の終わってくれなかった青春」で、自分としては名作の予感があったのに、そうなる前に打ち切りや未完っぽい終わり方をして未練が残る少女小説たちです。

 

「少年探偵セディ・エロル」シリーズ(井上ほのか)

事故のショックで小説「少年探偵セディ」の主人公に"入れ替わる"ようになった少女・マユコが、天才科学者の助手や世界を股に駆ける怪盗と共に事件を解決していく「少年探偵セディ・エロル」シリーズ。

名探偵を起こさないで (講談社X文庫―ティーンズハート)

名探偵を起こさないで (講談社X文庫―ティーンズハート)

 

講談社X文庫ティーンズハートというガチガチの少女小説レーベルにあって、かなり本格ミステリでした。実はこれ兄貴の本棚にあったのを勝手に拝借したらば面白くて、自分で買い揃えた。

事件編で謎と伏線を張ってそれを解決編できっちり回収するタイプの本格推理で、読みやすいし少女小説的な味付けもあって面白かった!もしかしたらアルセーヌ・ルパンシリーズと共に、自分のミステリ歴のはじまりです。

同じ井上ほのか先生の「アイドルは名探偵」「ルーン・エンジェルス・サーガ」シリーズと共に続き待ち続けたなぁ...。

 

「そのとき」シリーズ(高殿円

高殿円先生、デビュー作の「マグダミリア」や「遠征王」などのパルメニア王国ものがすごく好きで。中でも、鮮烈なモノローグを残しながら続刊がないという衝撃を残してくれた「そのとき」シリーズを時々思い出します。

そのとき君という光が (角川ビーンズ文庫)

そのとき君という光が (角川ビーンズ文庫)

 

“愛する者の記憶から消される”という呪いを代償に悪神の後継者となり、無敵の腕力を手に入れた守銭奴少女・フランが、他の悪神の後継者と謀略したり共闘したり傷を舐めあったり。

シリアスと笑いのハイブリット、て昔から好きなんですがこれもその系列で好き。"愛するものの記憶から消される"がスパイスというか毒のように効いてて、記憶には残らないけれどと別の形でよすがを残すフランの真っ直ぐさが眩しかった。

最新刊のラスト、名残惜しげに終止符を打った関係性を更にひっくり返す未来回想で締めくくられてるんですが、まだ待てる...よ。

 

「ダナーク魔法村はしあわせ日和」シリーズ(響野夏菜

Twitterで「再開してくれていいんだよ...?」という声しばしば聞きます。魔法が過去のものとなりつつある世界にて、魔法村に赴任した警察署長が主人公のほのぼのコメディ。ドジな魔女っ娘さんと仲良くなるツンデレ男子。

ダナーク魔法村はしあわせ日和―都から来た警察署長 (コバルト文庫)

ダナーク魔法村はしあわせ日和―都から来た警察署長 (コバルト文庫)

 

各種伏線が回収されて恋もいい感じに育ちつつ、ラスボス的存在の顔見せも終わっていざ...!てタイミングで最後、短編集出て終わるとかどういうこと。

切なさ包含するコメディ調、て響野夏菜先生の真骨頂だと勝手に思ってるんですが、のほほんとしつつも秘密をひた隠す魔法村、ヒロインの重たい出生、主人公のツンデレ、が絶妙のバランスで成り立ってました。イズーとビーの掛け合いが見たくてたまに既刊を読み返します。

 

「エパタイ・ユカラ」シリーズ(高丘しずる)

ホラーDVDってたまに見たくなって、でもこれ寝れなくなると途中で止めると気になって逆に寝れなくなることってありません?そんな心情ですでに10年近く経ってます、の「エパタイ・ユカラ」シリーズ。 

エパタイ・ユカラ ~愚者の恋~ (B's-LOG文庫)

エパタイ・ユカラ ~愚者の恋~ (B's-LOG文庫)

 

海面の上昇と地震による国土崩壊によって、上流階級のほとんどが大陸に移り住み東西に分断された近未来の日本。テロの横行するその地で、幼い頃引き裂かれ再会した姉弟の物語。

「これがわたしの初恋で、生涯でいちばん、幸せな一年だったんだよ」の悲恋を予感させるモノローグ、未来回想が随所に挟まれて、ひたすらバットエンドに向けて物語が転がってきます。

しかも2巻ラストがあばばばば...で記憶止まって今も続き気になってる。子供だからの幼恋というか愚者の恋が眩しくて透明で鮮烈で、...あぁやっぱり良かったな。

 

「エノーラ・ホームズの事件簿」(ナンシー・スプリンガー)

翻訳もので原作は完結してるけれど翻訳の方が「次巻鋭意翻訳中です!」てあとがき書きつつ出なかったビクトリアンミステリー。

エノーラ・ホームズの事件簿 ~届かなかった暗号~ (ルルル文庫)

エノーラ・ホームズの事件簿 ~届かなかった暗号~ (ルルル文庫)

 

シャーロック・ホームズの妹、聡明で元気いっぱいのお嬢様エノーラは、家を捨て偽名を名乗りロンドンで「探し屋」を始める。が、自分を探す兄の影がちらついて...。

ビクトリアンな舞台で、少女の繭期の終わり、揺籠の外のままなさ、変わらぬ家族愛と譲れない自由、暗号を中心とした本格推理、と全てが完璧なピースとして収まった作品。天才兄妹の推理対決とか最高だったし。

検索で「エノーラ・ホームズ」とキーを打つと「最終巻」がサジェストされるくらいには多分みんな気になってます。原作探すかなー...。

 

暴風ガールズファイト」シリーズ(佐々原史緒

メンバーも揃って仲間の結束も高まって、でも宿命のライバルになりそうな相手から痛い敗北を喫して。さてこれから「ロッソ・テンペスタ」の快進撃が始まると思うんですけれど。始まらない(過去形にはしない)。

暴風ガールズファイト (ファミ通文庫)

暴風ガールズファイト (ファミ通文庫)

 

熱血腹黒いいんちょーの麻生広海と、嵐のような転校生・五十嵐千果を中心に、ミッション系スクールに通う女子高生たちが高校ラクロス日本一を目指す、汗と涙とド根性のスポ根グラフィティ。

スポ根的王道の展開に、小気味よくキャラのエピソードを練りこみながら、ラストは熱く胸昂らせてくれる素晴らしいつくり。2巻を迂闊にも電車で読み始めて号泣して、駅降りで涙が引っ込むまで時間を犠牲にしたのも懐かしい思い出。

佐々原史緖先生は「トワイライト・トパァズ」も正直、これだけいい感じに盛り上がってるしもっと続いても、て思ってたけれど(こっちは綺麗に完結はしてる)、暴風ガールズファイトもまだ全然続いてくれていいのに。買うのに。

 

おわりに

ひたすら未練がましくお送りしました回顧録、いかがでしたでしょうか。長くて多分誰も読まないけど懐かしさ浸れて楽しかった。

年と共に記憶が朧げになりつつあるのに、電子書籍はおろか紙本も廃版になってる小説って、ネットに思い出を書き残しておかないと存在すらあやふやになりそうな気がして怖いことがあります。インターネットの開かれた空間に記録を残す意味って、こういうことなのかもしれません。

今はまだ大丈夫だけれど、5年後にGoogleの検索窓に「エパタイ・ユカラ」て打ち込んだとき、文字化けしたページしか出てこなかったらキツイかも、とか。

そんなわけで、「誰かがこの小説のことをふと思い出して検索したときに一緒に懐かしめる文章をネットに残さねば…!」みたいな謎の使命感で書き始めてみたものの、興味がない人にはとことん無意味な内容ですごめんなさい。

 

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