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青猫文具箱

本と文房具を愛でる日々。

転職にまつわる郷愁の様な話。

前の会社の後輩と飲みに行ったらば、会話の端々から「もうお互いホームが違っちゃった」に気づいて、少しだけ胸に刺さったのです。

転職して3ヶ月経つ前に会った時は「先輩がいなくなって改めて先輩の偉大さが〜」なんて情けなくも可愛いことを言ってくれてた後輩が、「うちの上司いざという時のツメが甘いので、先にこっちで準備しとかないと危なくて」と頼もしいこと言うようになってて、哀しいような、喜ばしいような。

や、常日頃部下に「代えのきかないような仕事はするな」と口酸っぱく言っていた身なので望ましいことに違いはないのですけれど。それでもやはり、自分がいた場所を他の誰かが早々に埋めたとわかるのはちょっとだけ寂しい。

翌日今の会社に出勤すれば、忘れる類の寂しさですけどねー。郷愁の様なものです。

 

こちら読みました。実際の経験を基にした退職とその周辺について、の考え方。

普段からブログ『ぐるりみち』を購読しているし、著者のけいろーさんが共著として参加されてる『レールの外ってこんな景色: 若手ブロガーから見える新しい生き方』を先日読んだのもあって続きで。あ、『レールの外って〜』の感想はこちらです。

井の中の蛙コンプレックス。

 

印象に残ったのは、仕事を「辞めたい」と思うこと、そしてそれを引き止める「とりあえず3年」について、『突き詰めるとどういうことだろう?』と因数分解している章でした。

「辞めたい」の先にあるものと、「とりあえず3年」の先にあるものって、退職か残留かの真逆の選択肢に見えます。でも、安易に選べばどちらも同じなんですよね『流されている』という意味で。どちらも何かのレールに乗ったまま、みたいな。

ここを丁寧に因数分解しつつ、『結局何が自分に大切なの?』について、自身の選択をなぞりつつ問いかけているのがこの本で、「とりあえず3年」を選んだ残留組も読んで面白い気がします。なぜこの会社で働くのか、は会社員として永遠に向き合うテーマな訳ですし。

 

読みながらふと思ったのですが、定期的にSNSでシェアされてる「退職エントリ」て、誰が読んでるのでしょう。

同じ業種の人?同じく辞めた人?いやむしろ辞めるという選択肢を抱えながらも残留した人たちが『選ばなかった仮定の未来』として読むんじゃないかな、とかそんな空想をするのですね。「自分の判断は正しかった」でもいいし、「タイミングは過ぎてしまったから次の駅まで準備をしよう」でもいい。

そういう意味で、辞めるきっかけから始まって、辞めて、「その後」まで書かれているこの本て、やっぱり残留組も読むと面白い気がする。

 

自分は読みながら、多分これから何回退職が頭をよぎっても、個人じゃなく組織で働きたいなぁと感想を抱きました。今辞める気ないですし、雇ってくれる会社があるかは別問題ですけれど。

組織で働いて、人間関係だったり文化だったり前例だったりを面倒だと思いつつ、それでも到底自分一人ではできないことを組織でつくりたい気がします。自分の名前が残らなくていいので、自分の関わったものが未来まで引き継がれていくと嬉しいな、とか。

 

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