青猫文具箱

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ゆるふわ会社員のビジネス心理学12選(対部下編)。

昨日「ゆるふわ会社員のビジネス心理学12選(対上司編)。」を書いたので、対部下編を書かないとな、という謎の使命に駆られて筆を取りました。 

ゆるふわ部下はできるだけ「緩りと上司に選択を迫ること」がキーですが、じゃあゆるふわ上司のキーは何か?と考えるとなかなか難しいです。ふわっと指示出す上司って、部下からすると迷惑なだけですし。「ふわっと部下を誘導すること」ですかね。

そんな感じで、自分のスキルの棚卸し&錆落とし的に書きました。明るく楽しいゆるふわ会社員生活のためのビジネスライフハックな12選、部下とうまく接するには編。

とあるゆるふわ上司と部下(+同僚)の会話付きでお送りします。

 

基本の6TIPS

優秀な上司でもないので、部下との付き合いも日々試行錯誤です。でも、過去の部下歴的に自分が最低限クリアしてほしいなぁと思うのが「指示が適切でブレない」なので、一応、そこを意識してます。というコンセプトの元、ブレのない指示を出すために役立つかもしれない6TIPS。

 

ラベリング効果

ある人物や物事に対して、わかりやすいワンフレーズのラベルを貼り付けて繰り返すことにより、イメージ誘導する手法です。

指示を出すとき、これから話す内容(フレーム)をプリフレームで明確に伝えておくことは必須ですが、部下の場合、上司より情報や経験不足があるため、意図や方向性のラベルを貼り付け、上司部下で見ている方向が違うことがないようにします。つまりイメージの共有。

いつどこで部下がそれを他人に発するかわからないので、ネガティブな評価、つまりレッテル貼りはしないのがポイント。

上司:重要顧客のB社についてだ。今回のプレゼン、参加はするものの採算が合わないので採択までは望んでない。そこそこの見た目と採択しずらい高コストを意識した資料作成が求められる...つまり「おつきあい参加」がコンセプトだ。

部下:要は力を入れすぎるなってことっすね。

 

両面提示の法則

メリットのみの提示を一面提示、デメリットも合わせて提示する方法が両面提示。自分の強みだけではなく弱みも見せることで相手の信頼を得やすくする、というテクニックです。どちらも見せることでフェアな印象を相手に与えることができます。

ミクロ的に上司のてへぺろ(・ω<)な失敗談を話して信頼を得るでもよし、マクロ的に会社の暗部も交えて話して共犯者意識を高めるでもよし。もちろん、全てを話されても部下だって反応に困りますので、提示する情報はコントロールしましょう。

上司:この北海道出張は土日を挟むので多少観光できるかもしれないが、幹部のかばん持ちで日中ずっと気を張るし、先方とのアポとりが面倒だし、現地で報告書も書かないといけない。...本当に君がやるかね?

部下:ええと...(もしかして行きたいのか北海道)。

 

イエス・バット法

例え相手の答えが間違っていても、まずは相手の反応を受け止め(Yes)、和やかに反論する(No)というゆるふわ上司の基本戦略。

「本当に部下の答えは間違っているのか(自分が間違ってるのでは?)」との自問自答は常に必要ですし、部下に嫌われるのを厭ってむやみに受け入れる(受け止めるとは違う)のも困りものです。要は、聞く耳は閉じちゃいけない、というスタンス。

部下:ですから市場において優位性を勝ち得るためにはこのシステムの早期導入が必要だと考えるのです!

上司:君の考えはよくわかった。そして私も君と全くの同意見だ。だが、うちの予算では到底無理だ。

 

ロー・ボール・テクニック

まずは相手が受け取りやすいボールを投げてから、徐々にオプションを増やしていく方法。急激なビジネス環境の変化には耐えられないので少しずつ変えていく、いわゆる茹でカエル現象を活用したテクニックでもあります。

そろそろ一段上の仕事をしてほしいなぁと思っても、慎重すぎる/やる気がないなどの理由から積極的ではない部下に特に有効。最初は自分の付き添いとして、次は代理として、そのうち本担当として、と、切り崩すように権限を移していきます。

部下:なんか最近、D社との打合せに同席しなくなりましたよね?

上司:ん?そうか?...そういえば今度のE社の企画、D社から受注したのと近い内容だから、資料作成しておいてくれ。

 

ピグマリオン効果

人間は周囲から期待されればされるほど成果を出す傾向が強くなること。

直接的に「君には期待してるよ」といってもいいし、第三者を介した噂話のほうが直接言われるよりも効果が大きくなるという心理効果(ウィンザー効果)を意識して間接的に伝えてもいい。

コツは相手にとっての「少し上」を期待値として狙うこと。相手にとって出来て当たり前を狙うと「自分の実力をわかってない」「馬鹿にしてるのか」とネガティブな効果になってしまいます(ゴーレム効果?)。

同僚:あ、この間お前の上司と宴会で一緒になったんだけど、すげーお前のこと買ってたよ。「あいつはうちの部署のホープだ」て。そしたら部長もお前の次の企画楽しみだって。

部下:...!!頑張ります!

 

アンダーマイニング効果

これはTIPSというか気をつけないといけないことですね。内的動機づけ(モチベーション)に対して報酬を与えるなどの外的動機づけ(インセンティブ)を行うことで、モチベーションが低減する現象。

善意のボランティアでやっていたことなのに、中途半端な報酬を渡されるようになると、一気にやる気を失う感じです。アンダーマイニングとは、日本語で弱体化のこと。下手に頑張ってるからと奢ったりプレゼントしたり、安易に部下に媚びてるような態度は危険ということです。

 

応用の6TIPS

自分が平凡な会社員であることはよくよく理解しているので、常に意識しているのは「この部下はいつか自分の上司になるかもしれない」ということです。いつ関係が逆転してもいいように、悪印象を抱かせない。そうはいっても甘いだけだと上司感がなさすぎるので、ゆるふわと角が立たないように必要なことは指摘して、「いい上司だったなぁ」と思わせたい。そんなちょっとだけ見栄っ張りなゆるふわ会社員に送る6TIPSです。

 

Iメッセージ

主語を「あなた(You)」から「私(I)」に変えるだけで 批判的なニュアンスを落とす技術。「うろちょろするな」→「見えなくなると心配だ」。アサーション(自己表現)では特に大切とされます。

通常、上司からの指示は上から目線感を伴うもの。それをIメッセージで「あなたが行動することを私はどう感じるか」で表現することで、上から目線感を削ぎ落とし、ゆるふわ良好な上司部下関係を狙います。

上司:連絡がなかったから君が交通事故にでもあったんじゃないかと心配したよ。

部下:寝坊による遅刻大変申し訳ございませんでした!

 

時間的フレーミング

時間の単位を変えて表現することで、相手の物事の捉え方を誘導する方法。「この企画にかける時間は1か月ある」→「この企画の〆切は730時間後である」とか。大きな時間表現では抽象的すぎてイメージが湧かないことも、小さな時間単位に換算し直して具体化することで、説得力が上がります。

主な使いどころとしては「部下の作業ペースが今のままでは〆切に間に合わないと考えているとき」。手順の確認を装って、部下に〆切から逆算する形で使える時間があとどれくらいあるか考えさせることで、やんわりせっつくことが可能になります。

 

認知リハーサル効果

一度記憶した内容を繰り返し思い出させることで、その記憶を定着させる効果です。エビングハウス忘却曲線に逆らうわけですね。人間、何もしなければ1ヶ月後には8割を忘れてます。

部下への指示は出しっぱなしにしない方がいいし、せっかく目標を立てたなら任せっぱなしにせずにたまに面談でもした方がいいし、放りっぱなしは整理整頓の大敵です。前に、認知リハーサル効果、公表効果、刺激馴化と絡めてこんな記事を書きましたー。

通学・通勤定期で夢を叶える。

 

刺激馴化

刺激に晒され続けるとその刺激に順応してしまい、徐々に反応を示さなくなる現象。

二つの側面がありまして、お小言も何度も重ねるとそのうち慣れて部下の心に響かなくなるし、嫌々やってた仕事も繰り返すことで当たり前になるということです。

一般に、強い刺激より弱い刺激の方が、複雑な刺激より単純な刺激の方が、より早く馴化します。嫌がってる仕事に早く慣れてもらうためには、できるだけ環境は変えずに、それでいてシンプルな指示から始めると良いかもです。刺激般化も狙えますしね。

上司:お前が嫌がってた週一出張の件だけどさ。当面電話かWEB会議で対応すればいいことになったから。

部下:本当ですか?

上司:ああ。でもイベント日程が近くなれば現場に顔を出さないといけないことも増えるし、覚悟はしておけよ。

 

無言クロージング

クロージングとは、相手にスムーズに決断を促す手法のこと。そのため、基本的には言葉での説得を重ね、真摯に相手と向き合うことが求められますが、時には無言を貫くのも戦略です。人は沈黙を嫌うので、あえて言葉を発せずに待つことで、相手の言葉を引き出し、結果的に相手の譲歩を引き出せる場合が多いです。

コツとしては、議論が出尽くした、手を尽くした後で行うこと。最初から無言クロージングをするのは、無言の脅迫でしかありません。 

上司:... ...。

部下:... ...。あの、...。

上司:... ...。

部下:... 申し訳ございません、冷蔵庫にあったプリンを空腹のあまり食べてしまったのは私です...。

 

カウンター・エグザンプル

物事に対して一般的、普通、当たり前と信じてることについて、それが真実ではなく、単なる思い込みにすぎないことを気づかせるテクニック。ピア・プレッシャー同調圧力的な)へのカウンター技です。

これは、部下の方がその部署の経験が長い、または逆に、部下が別の部署から移ってきたばかりで前の部署のやり方に囚われているときに有効です。「具体的には?」「それを実際にいったのは?」との質問を重ね、「普通」を因数分解していきます。できるだけ具体化して、数として本当にマジョリティなのか確認するのがコツ。 

例え上司から見て理にかなってないことでも、前例を頭から非難して対立するようなことはしないで、一緒に考えるスタンスで行くのがゆるふわです。

当たり前を因数分解する、をテーマに、こちらも前に記事書きました。

本の何に対してお金を払っているか。

 

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各用語について、横山信弘氏のメルマガバックナンバーを参考にしています。

横山信弘のメルマガ「草創花伝」バックアップblog(ブログ)

 

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