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青猫文具箱

本と文房具を愛でる日々。

一年前に読んだ本のこと、どこまで覚えてますか?

新聞の書評が教えてくれたかもしれないこと。

日経新聞に追加して読売新聞と産経新聞を読み始めました。実家は朝日新聞を取ってたので、保守とリベラルのバランス的にはいい感じ。

世の中的な動きが少ない週末の新聞を楽しくしてくれるのは、書評や芸術関係の特集記事だと思うことがあります。むしろ、こういう「教養」的な余力がないと自分にとって新聞とる意味ない。

年末ともなると、各新聞の書評には、各界の識者が1年を通して読んだお気に入り本が並びます

リアル本屋の年間売り上げベスト10とか、ネットのビジネス大賞2014とか、AmazonのBooksランキング、あとはそれにつられる読書系ブログの「今年のおすすめ本10選」なんかは、だいたい知ってるタイトルで「ふーん。」と思うのに、新聞の書評で「ふーん。」と思うことはあんまりありません。むしろ「あぁ、今年そんな本が出てたのか」と静かにショックを受ける。

新聞の書評で知って面白そうな本は、キンドルで探したりリアル本屋に足を伸ばしたりします。そして読んでみて、売れる本が面白いわけではないんだね、と感じたり。広告のリソースは限られるのだし、面白い本が売れるのでなくて、出版社だったりが売ろう決めた本が売れるのだと思います。そこから零れた面白い本を、新聞の書評で見つけると嬉しい。

ただ、ここでの感想は別に「インテリ層が読む新聞はやっぱり目の付け所が違うね」ではなくて「自分の情報感度の低さ」と「誰かの読書をなぞるだけの自分」への苦い思いです

 

半径3メートルぐらいの世間からの情報に頼る。

新しい本の存在を知るのは、定期訪問する読書サイトやブログ、SNS頼りになることがほとんど。

「自分が選んだ人たち」が選ぶ本は、受け入れやすくわかりやすく心地いい。慣れる、ということは理解をとても助けてくれます。

でも「これまで知っていた、予測の範囲内とは別のことを知りたい」と思うとき、その半径3メートルぐらいの世間の心地よさに身を任せるのは良くないのかもと思うのです。

だから「自分の知らない、何か新しいもの」を求めて、あちらこちらにアンテナを張る。新しいブログを探したり、本屋で棚に押し込まれた本をタイトル買いしてみたり、気に入った著者の他の本をさらってみたり。冒頭の通り、新聞や雑誌の書評・レビューを追ってみたり。おっくうに感じても、半径3メートルの範囲の外側を知りたいな、と心掛けてます。

なのに新聞の書評に、知らないおすすめ本が並ぶのを見るとき「あぁ、自分の情報感度って相変わらず狭いんだなぁ」と落ち込む。何よりこうしたアンテナの低さって、読書に限らずもっといろんな情報に対してそうだ、という気がして怖い

 

誰かがおすすめする本を読む自分。

ネットやリアルで、誰かがレコメンドした本を購入します。そうやって読むときは、たいがい色眼鏡がかかって読んでいる。「レビューで☆4つがつく本」「○○についての本」「これは△△が面白いといった本」と読み方がわかった本を読むことに、無意識に安心している。誰かが絶賛した本を、つまらないと思って読むことは難しい。いつだって、誰かの通訳に身をゆだねて本を読んでるんです

 

人は「わかる言葉」についてしか、反応できません。だから誰かの通訳に頼るのは、世界を広げるには必要なこと。意味のわからない現代美術は学芸員が解説するから面白く見えるのだし、通訳が付くから安心して他国とビジネスができるのですし。

でも、通訳されて、そこから知識や思考が深まらなければ何の意味もない。「売れてる本だけあって面白かった」で止まる読書に意味はなんてないかもとも思えて。

「嫌われる勇気」「統計学が最強の学問である」「経営戦略全史」「無印良品は、仕組みが9割」「不格好経営」「伝え方が「9割」」「自分を変える教室」「ゼロ―なにもない自分に小さなイチを足していく」。

今年話題になった本はだいたい読みました。おすすめしてくれた人がおすすめしてくれた通りに「感動して」「啓発を受けて」、そして「忘れた」

当たり前だと思います。人の読書をなぞって、それで何かを身につけた気になっても、「自分ごと」でなかったら、覚えている緊急性なんてあるわけがないんです。

 

だけどもどうにか自分ごとになればいいな、とアウトプットに試行錯誤してます。読書ノートづくりあったり、このブログであったり、普段の仕事に生かせないかの実践だったり。それでもやっぱり堂々巡り。誰かの評価に依存しないと不安で、本の読み方もわからない

自分の情報感度の低さと、人の評価に依存しっぱなしな自分の所在なさに呆れつつ、いつか「知らない新しいこと」を、自分が自分の方法で見つけられる日が来ればいいのにと、そう思ってるんです。

 

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