青猫文具箱

本と文房具を愛でる日々。

「評価される」ことを望むなら、迷わず読んでいい実用書まとめ。

「評価される」ことを望むなら、どういうことを頭に入れとけばいいのよ?な本をまとめてみました。人事や上司の顔色を伺って、疑心暗鬼になってた頃の自分にそっと差し入れしたいチョイスです。著者は人事部出身者が多め。

 

なぜ昇進するのはいつもあなたではないのか もっと早く知っておきたかった「社内政治」の技術(作者: ジェーン・ホラン)

「半沢直樹」的世界とは無縁な会社員人生を望む人へ。

なぜ昇進するのはいつもあなたではないのか もっと早く知っておきたかった「社内政治」の技術

なぜ昇進するのはいつもあなたではないのか もっと早く知っておきたかった「社内政治」の技術

 

社内政治のルールを知って致命傷を避けるためのスキル書。社内政治を上手く渡り歩く人ではなく、むしろ「半沢直樹」的世界に巻き込まれることを嫌う人向けの本です。

海外の優秀かつ善良なエリートたちが、社内政治的に未熟/無知だったため、いかに足を掬われ会社を去ったか。の、事例と解説と対策。そうならないためにはどういうスキルが必要か。三ツ松 新氏の解説を引用すれば、"足を引っ張る人が出てきたときには、攻撃せずとも防御のスキルは必要になってきます""ゲームのルールがわからなければ結局のところ太刀打ちができません"。

翻訳物のため微妙に読み始めがつらかったりもしますが、印象としては『再考・空気を読む(社内政治編)』といった様相で、意外とテクニカル。スキルアップというより、無知は罪的な要素が強い本。

 

人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人(作者: 楠木新)

それは、ビジネス書と言う名のホラー(恐怖)でした。 

人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人

人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人

 

若い頃どんなに優秀でも、会社と言う組織上、8割の人は「働かないオジサン」になるのです、という、人事評価系ビジネス書の皮を被ったホラーもの。

10年、20年先に必ずやってくる未来、若さでもって目を背けていたその事実を、目の前にどんと置かれると、恐怖以外の何者でもない。ただ、恐れを持って気づけるのは幸運かもしれない。響きもしなくなったら、この本のタイトルをスルーするようになったら、その状況こそが真に恐怖な気もします。

ノウハウ系じゃない意識改革系のビジネス書。自分が嫌悪し冷めた目で見ている職場の「お荷物」社員になるリスク、それは誰もが持つもの。そこに至る、組織で働くことの意味に悩む状態「こころの定年」への対策はオーダーメイドな自分仕様で、自分ひとりの戦い。だからこそ、「こころの定年」を迎えるまでにどう考え何をして備えていくべきかの7か条です。別名、イキイキ働くための7か条。イキイキ働くオジサンの事例が豊富で、自分はどうなりたいか、の指針にしやすい構成で、結構考えさせられる。

 

ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!(作者: 堀江貴文,岡田斗司夫FREEex)

評価経済社会の中で、あなたは主役か。それともモブか。

ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!

ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!

 

全体的には評価経済の話。「人の忠誠は給料を払うだけでなく給料を取ることでも発生」「独自通貨の発行がビジネスの最終段階」「その人が蓄積している評価資本で、脱出艇のサイズが決まる」、あと「評価より貨幣の方が早く流通する社会の終着」など。

すごいのは、この人たちが「そう考えてる」ではなく、それを実装し世界で「トライアルしている」こと。世界はこういう「主役」による、大きな実験場のように感じる恐怖。

あと何よりこの対談は、堀江氏、いわゆるホリエモンの質問力がずば抜けてると思うのです。「どうして〜か、わかります?」「〜ではダメなんでしょうか?」「ひと言で言うと〜て何ですか?」

よくビジネスで、ロジカルな質問力が重要というけれど、それを実装してる対談モノってなかなかないと思ってました。しかも全体的にどうやるか、ではなく、なぜやるか、で一本気通ってるんです。質問力、インタビュー力という意味でも価値ある1冊。

 

入社1年目から使える「評価される」技術(作者: 横山信治) 

一見「嫌われる勇気」と真逆に見えて、実は同じ道行く「評価」の本。

入社1年目から使える「評価される」技術

入社1年目から使える「評価される」技術

 

「人間と言うのは他人からどう思われているか、どう扱われるかを通じて、自己重要感を満たす生き物」という原理原則から、周囲に「評価される」には大原則として「認めてほしい相手を先に認める」ことが必要です、と言う内容。

これ単独でも、相手と自分の自己重要感にどう折り合いを付けるか、をシンプルに扱う良書。そして実は、先日「嫌われる勇気」を読んで読み返した本でもあります。「ほめる」という行為を否定するアドラー心理学と真逆な思考の本を前に読んだよね?と思い出しての再読。

で、読み返して、アドラー心理学と真逆、と思っていた自分が誤りだと気がつきました。というか当時の私は本書を本質的には理解してなかった。

タイトルの評価される"技術"の通り、あくまで評価を"手段"として使用し、感情からは切り離す。自分の自己重要感に折り合いを付け、他者に目を向ける。アドラー心理学的に言えば「承認欲求から自由になり、貢献感を高めていく」ための、使用の心理学を現実生活に落とし込む書でした。

「嫌われる勇気」のおかげで見方の深みが増した本。だから読書って面白い。

 

人事部だけが知っている あなたの評価を上げる方法(作者: 高野美佳)

「周囲の評判」が人事評価の3割を決め、不当な上司の評価を覆す。かも。

人事部だけが知っている あなたの評価を上げる方法 (中経出版)

人事部だけが知っている あなたの評価を上げる方法 (中経出版)

 

外資系化粧品会社で29年間人事畑だった女性マネージャーが経験から語る「人事評価」の本。まとめると、人事評価の7割を決める「上司の評価」の高め方、残り3割を決め不当な上司の評価から自分を守る「周囲の評判」の作り方。

「人事評価は不公平である」ことを前提に、人事評価で評価されるため、リストラ対象に上がらないためには何をすれば良いか。それでも会社や上司と相性が合わない場合、転職や独立に向けて何が必要か、が平易な文章でまとめられていて事例も多いので、スルッと読みやすい。上司の評価もですが、周囲の評判についてのメリデメと作り方に分量が割かれてます。

「会社から正当な評価を受けていない」と思ったら、この一冊。

 

「聴いてるつもり」症候群(作者: 榎本博明) 

言った言わない水掛け論への処方箋。

「聴いてるつもり」症候群 集英社ビジネス書

「聴いてるつもり」症候群 集英社ビジネス書

 

言った、言わない、聞いてない。

ビジネスでは二度三度どころか百度は出くわす水掛け論。トラブルの八割はこれが原因なので、まともな人なら三度目あたりの失敗で文書主義に趣旨変えしてると思われます。自分も上司に「聞いてないよ!」と梯子外され、鞍替えした一人。

そのくせ自分も、時折「聞いてないよ」が喉から出かかることがあり、興味深く「聴いてるつもり」のメカニズムと処方箋を読みました。知ってるつもりになりがちですが、受動的な「聞く」と能動的な「聴く」は違うのですよね。聞き流したりせずに、相手に意識と興味を向けるのが「聴く」ということの難しさ大切さ。

最近は「聞く力」として頷きやミラーリングをスキルとするビジネス書もありますが、本書ではこうしたスキルも中身が伴わないと「聴いてるつもり」と同じだと言ってます。誠意のない頷きに意味はないと。そんな訳で、ミイラ取りがミイラにならないようにも気をつけたいな、と思う今日この頃です。